そして本日の最後を飾る年長児の発表会。
年長児は園生活最後の発表会です。
短い練習期間の上、行事の多い年長さん。
限られた時間を上手く使って、話の内容から作っていきます。
セリフや動き、全てが子ども達と先生たちの手作り。
時には、折り合いが着かなくなり、喧嘩になることもありました。
本番が近づき、焦る先生たちと気持ちがズレてしまうこともありました。
いろいろなことを乗り越え、迎えた今日。
どの子の表情も真剣です。
ばら組とゆり組の劇は「えがおが咲くあの言葉~ありがとうを探して~」です。
わがままな王様は「やって!」ばかり。家来たちがしても「ありがとう」も言いません。
それに疲れきった家来たちはウンザリ。
見かねた妖精たちは王様と家来に不思議な花の咲く種を与えました。
王様は、家来を引き連れて種を育てるのに必要な綺麗で不思議な水を探しに行きます。
道中には、橋が壊れて川を渡れないウサギやキツネ。怪我をして泣いている小鳥。
楽器を作れないクマと心配するリス。文字が読めない昆虫たち。
そんな動物たちを最初は家来たちに助けるように命令する王様ですが、
城をでた家来たちは「王様もやってください!」一喝。
家来たちも助けてくれ、困った動物さん達を助けていくと「ありがとう」とお礼の言葉が・・・。
王様は「ありがとう」の言葉の素晴らしさに気付いていきます。
お城に帰った家来と王様が協力しながら水をあげますが、花は咲きません。
いつもの王様なら家来のせいにしたり、わがままを言ったりしますが、
旅の途中で「ありがとう」の言葉の大切さや誰かが喜ぶことの嬉しさを知った王様は
「花は咲かなかったけど、いつもありがとう。」と感謝を伝えます。
すると、妖精たちがやってきて、綺麗な花を咲かせてくれました。
実は“ありがとうの花”だったのです。
子ども達、先生たちの思いがたくさん詰まった劇。
見ている私も心が温かくなりました。
れんげ組とあじさい組の劇は「サンタさんやめました」です。
タイトルからして「え?」とインパクト大。
この時期のサンタさんってとっても大忙し!
忙しさが嫌になり、ついには
「サンタさん、やーめた!」
トナカイが必死でサンタさんを止めますが、サンタさんは「辞めた!」の一点張り。
トナカイはサンタさんという仕事がどんなに大切かを伝えるため、
動物たちの元に向かいます。
森では、動物たちがプレゼントを何にするか話し合っていますよ。
トラは大好きなおもちゃ。ワニは冷たいお水。ウサギは人参。
リスはしっぽの手入れに使うクシ。最後のネズミはチーズのお願い。
それを見ていたサンタさん、やる気になるどころか
「欲しいものもらえて いいなー・・・。」と逆にやる気をなくしてしまいます。
トナカイのフォローもむなしく、「サンタさんなんて、やーめた!」と大きな声で宣言。
それを聞いたネズミは、慌ててリスに報告。
あっという間に森中の動物たちに広まりました。
動物たちはサンタさんの気持ちを考えました。
「サンタさんもプレゼント欲しいのかな?」
「サンタさんの準備を手伝えば良かったかな?」
「サンタさんにお礼の言葉って言ったかな?」
色々考えた動物たちは、お礼にケーキを作ります。
大きなケーキにビックリしたサンタさん。
動物さんたちの気持ちがとても嬉しく、胸に響いたようです。
そんなサンタさんが気付いたことは
「みんなの笑顔が見たくて、サンタさんになった」ということ。
動物たちもサンタさんの気持ちになったことで、大切な感謝の気持ちに気付きました。
誰かの気持ちになることで見えてくるものがたくさんあることに気付いた子ども達。
最後のありがとうのうたには、その気持ちがぐっと込められていました。
劇が終わり、合奏の準備に移ります。
ばら組とゆり組は、いきものがかりの「ありがとう」です。
♪ありがとう~って伝えたくて~
と2クラスはこの歌がずっと流れていました。
「誰にありがとうを言いたい?」と聞くと
「一緒に遊んでくれる友達」「いろいろなことを教えてくれる先生」
そして、「大好きなお父さんやお母さん、おじいちゃんにおばあちゃん」
子ども達は、ありがとうと伝えたい人がいっぱいいるようです。
その思いがしっかり伝わったのか、保護者の方の目にも涙が・・・。
その姿に職員も感動しました。
しっとりしたばら組とゆり組の合奏曲とは
真反対のれんげ組とあじさい組の曲。「残酷な天使のテーゼ」
印象的だったのは、力強く音を鳴らしていた大太鼓、小太鼓、シンバルたち。
しっかりと刻んでいるリズムに着いていく打楽器や鉄琴・木琴。
そして、鍵盤の音色。
アップテンポの曲で少し難しいと思っていましたが、子ども達はバシッと決めてくれました。
いよいよ今日を締めくくる最後の歌。
年長児全員による合唱「どんなときも」です。
先日、園で素敵な歌声を聞かせてくれた弓削田 けんすけさんが作曲したこの歌。
子ども達の未来に向けて書かれた歌です。
これから何十年、たくさんの人たちに支えられて大きく大きく成長していく子ども達。
どんなときも「ありがとう」の気持ちを忘れずに、素敵な大人になっていってほしいと
担任たちがこの歌を選びました。
「今まで頑張ってきたね“ありがとう”」と
「たくさんの感動をくれて“ありがとう”」と
その天使のような歌声に感謝でいっぱいです。
小学生になる準備はバッチリ。
卒園までの時間で、たくさんの思い出とありがとうを作っていこうね。